- はじめに
Radiohead (1985- ) |
- イメージの羅列
Transport, motorways and tram lines
Starting and then stopping
Taking off and landing
輸送機関、高速道路、路面電車
発車と停車
離陸と着陸
(動)名詞だけをひたすら羅列して、情景を描写する部分。おそらくこのイメージの元になっているのは彼ら自身のライブ・ツアーだろうが、昼夜を問わず、絶え間なく動いている現代社会のイメージでもある。
- アルコールと鬱
The emptiest of feelings
Disappointed people clinging on to bottles
And when it comes it's so so disappointing
からっぽの感情
空のボトルを抱きしめながら絶望している人々
それがやってくると、ひどくとても落胆させる
"The"+形容詞=名詞が適応される第一センテンス。"emptiest"は「もっとも空っぽ」を意味して、単なる空虚さ以上の強調がなされている。「(空の)ボトル〜」はアルコール依存症の人々を想像させられる。「それがやってくると」の「それ」は「からっぽの感情」のことで、心を蝕む空虚感、鬱の発作のことだろう。
- 地面を這う虫けら
Let down and hanging around
Crushed like a bug in the ground
Let down and hanging around
期待を裏切られ彷徨って
地面を這いつくばる虫けらのように潰され
期待を裏切られ彷徨う
"Let down"は「〈人を〉失望させる、〈人を〉裏切る」といった意味。受動態なので、この場合は「裏切られた、失望させられた」と訳す。
- 必死に踠く
Wings twitch, legs are going
Don't get sentimental
It always ends up drivel
砕かれた殻、飛び散る体液
翼は引っ張られ、脚は向かう
感情的になるなよ
いつも鼻水まみれになるから
コーラスの「虫けらのように潰される」からのイメージを引きずって展開されるヴァース。殻、体液、翼、脚の4つのイメージが現れる。自分の身を守るための殻は砕かれ、強い痛みを感じた際に流れる体液(涙)があるいは傷口から流れる体液(血液)が飛び散り、逃げるための翼は引っ張られ飛び立つことはできず、脚だけは向かおうとあるいは逃げようと必死にもがく様子が目に浮かぶ。
- 翼
A chemical reaction
Hysterical and useless
Hysterical and ...
いつかおれに翼が生えてくる
化学反応
取り乱した役立たず
取り乱した……
いつの日か、逃げ出すための翼が生えてくる。それは自由の象徴的な存在である。しかし翼を活かすことはできずに、取り乱して……
- 再び地を這う
Let down and hanging around
Crushed like a bug in the ground
Let down and hanging around
見捨てられて彷徨って
地面の虫みたいに潰されて
見捨てられて彷徨って
Let down again
Let down again
Let down again
また裏切られて
また傷つけられて
また失望させられて
- ここではないどこかへ
You know, you know where you are with
You know where you are with
Floor collapsing, floating, bouncing back
どこにいるのか君はわかっているのだろう?
君がどこにいるのかが
床は崩れ、宙を漂い、跳ね上がる
そう、ここからは一刻も早く逃げ出さなくてはいけないのだ。床は崩壊し始めて、スローモーションのように落下し、地面に叩き付けられる。
- だから羽を……
And one day....
I am going to grow wings
A chemical reaction
Hysterical and useless
Hysterical and...
そしていつか
おれの背中に羽が生える
化学反応
ヒステリックで無益なもの
ヒステリックで……
- 三たび地を這う
Let down and hanging around
Crushed like a bug in the ground
Let down and hanging around
裏切られて路頭に迷う
地を這う虫のように踏みつけられ
裏切られてさまよう
radioheadのアルバムはどれを買っても楽しめますが、一枚だけを選ぶとするなら3作目のOKコンピューターでしょう。これを聴くことなくして、90年代は語れません。全曲に漂う絶望感と高揚感のアマルガムを味わうべし。
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