2012年7月25日水曜日

[歌詞] Shiver (Coldplay)





So I look in your direction
But you pay me no attention, do you
I know you don't listen to me
'Cause you say you see straight through me, don't you


ぼくが君の方を向いても
君はぼくに気づいてくれない
君がぼくの話を聞いていないのはわかってる
だって君がぼくを無視するってはっきり言うから

And on and on from the moment I wake
To the moment I sleep
I'll be there by your side
Just you try and stop me
I'll be waiting in line
Just to see if you can


そして僕が目覚めてから眠るまでのあいだずっと
ぼくは君のそばにいるよ
止められるものなら止めてみろよ
君ができるかどうかみていてあげるから

Did you want me to change
Well I change for good
And I want you to know
But you always get your way
I wanted to say


君はぼくに変わってほしかったのかい
それなら永遠に変わってしまおう
そして君に気づいてほしいんだ
でも君はいつだって意見を曲げない
ぼくはこう言いたかったんだ

Don't you shiver, shiver, shiver
I'll always be waiting for you

背筋がぞくぞくしてくるだろう
ぼくはいつだって君を待ち続ける

So you know how much I need you
But you never even see me, do you
And this is my final chance of getting you


ぼくがどれくらい君を必要としているかわかっているだろ
でも君はぼくを絶対にみようとはしない
これが君を手に入れる最後のチャンスなんだ

And on and on from the moment I wake
To the moment I sleep
I'll be there by your side
Just you try and stop me
I'll be waiting in line
Just to see if you care



そして僕が目覚めてから眠るまでのあいだずっと
ぼくは君のそばにいるよ
止められるものなら止めてみろよ
君がどうするかみていてあげるから

Did you want me to change
Well I change for good
And I want you to know
But you always get your way
I wanted to say


君はぼくに変わってほしかったのかい
それなら永遠に変わってしまおう
そして君に気づいてほしいんだ
でも君はいつだって意見を曲げない
ぼくはこう言いたかったんだ

Don't you shiver
Don't you shiver

背筋がぞくぞくしてくるだろう
背筋がぞくぞくしてくるだろう

Sing it loud and clear
I'll always be waiting for you
Yeah I'll always be waiting for you
Yeah I'll always be waiting for you
Yeah I'll always be waiting for you
For you I will always be waiting


大声ではっきりと歌ってやるよ
ぼくは君を待ち続けているから
そう、ぼくは君を待ち続ける
そう、ぼくは君を待ち続ける
そう、ぼくは君を待ち続ける
君を、ぼくは待ち続けるから

And it's you I see, but you don't see me
And it's you I hear, so loud and clear
I sing it loud and clear
And I'll always be waiting for you


ぼくがみているのは君だけど
君がみているのはぼくじゃない
ぼくがはっきりと大きな音で聞くのは君の声
ぼくはそれを大声ではっきりと歌い上げる
そして君を待ち続ける

So I look in your direction
But you pay me no attention
And you know how much I need you
But you never even see me


ぼくが君の方を向いても
君はぼくに気付こうとはしない
ぼくがどれくらい君を必要としているかわかっているだろ
でも君はぼくを絶対にみようとはしない

Coldplay (1997- )
コールドプレイ(Coldplay)の初期のヒットナンバーです。5:00きっかりで歌詞も繰り返しが多いのに、不思議と飽きさせない魅力的な曲だとおもいます。ですが、歌詞をきちんと読んだとき、衝撃的でした。

それは、この曲はどう考えてもストーカーの視点から描かれているからです。特に歌詞を気にしない人であれば、ごくごく普通の報われない愛(unrequired love)の歌と捉えるかもしれませんが、歌詞の隅々ににじみ出ている言葉の端々には狂気がやどっています。

 「ぼくが君の方を向いても
君はぼくに気づいてくれない
君がぼくの話を聞いていないのはわかってる
だって君がぼくを無視するってはっきり言うから」

この時点ではっきりと、「君がぼくを無視するってはっきり言うから」(you say you see straight through me, don't you)と歌っているように、一方的にふられている、あるいは復縁を拒絶されています。

「そして僕が目覚めてから眠るまでのあいだずっと
ぼくは君のそばにいるよ
止められるものなら止めてみろよ
君ができるかどうかみていてあげるから」

つぎの歌詞はそれを受けての男の行動です。恋人でもない男に「目覚めてから眠るまでの間」一緒にいられるなんて、単なる悪夢でしかありません。もっとも、このフレーズが「彼女を思い続ける」の比喩表現だと捉える事も可能でしょう。

君はぼくに変わってほしかったのかい
それなら永遠に変わってしまおう
そして君に気づいてほしいんだ
でも君はいつだって意見を曲げない
ぼくはこう言いたかったんだ」

君の求める男になるから、気づいてほしい。意見を曲げて、僕を受け入れてほしい。ふむふむ。そして彼の言いたかったことは…

「背筋がぞくぞくしてくるだろう」


キャー。そりゃぞくぞくするよ。ドキドキじゃなくてゾクゾクだよ。それ、相手の女の子は絶対困ってるから。なんて一方的な愛の形。しかもそれを「大声ではっきりと歌う」(sing it loud and clear)ってもはや嫌がらせレベルじゃなくて、犯罪だから。通報されるよ?

そんな風に思ってしまったのだけれど、songmeaningsをみると、ストーカーっぽい(stalker-ish)とのコメントもあるものの、おおむね報われない純愛の歌として捉えている人が多い事にびっくり。感性の違いか…



2012年7月21日土曜日

[歌詞] Some Girls Are Bigger than Others (The Smiths)




From the ice-age to the dole-age 
There is but one concern 
I have just discovered :

氷河期から「失業手当」時代にいたるまで
少なくともひとつの関心事があることに
ぼくは気づいてしまった

Some girls are bigger than others 
Some girls are bigger than others 
Some girls' mothers are bigger than other girls' mothers

ある女の子たちは他の女の子よりも大きい
ある女の子たちは他の女の子よりも大きい
ある女の子たちの母親たちは他の女の子の母親たちよりも大きい

As Anthony said to Cleopatra 
As he opened a crate of ale : 

アントニオがエールの木箱を開けながら
クレオパトラに語ったように

Oh, I say : 
Some girls are bigger than others 
Some girls are bigger than others 
Some girls' mothers are bigger than other girls' mothers

ある女の子たちは他の女の子よりも大きい
ある女の子たちは他の女の子よりも大きい
ある女の子たちの母親たちは他の女の子の母親たちよりも大きい


Send me the pillow ... 
The one that you dream on ... 
Send me the pillow ... 
The one that you dream on ... 
And I'll send you mine

君が夢をみる枕を贈ってほしい
君が夢をみる枕を贈ってほしい
ぼくも君に枕を贈るから

The Smiths (1982-1987)
80年代に活躍したイギリスのバンド、ザ・スミス。オアシスのノエル・ギャラガー等その後のミュージシャンに多大な影響を与えたことでも有名です。そんな彼らが1986年発表に発表した3枚目のアルバム"The Queen is Dead"の最後を飾る曲がこの奇妙な"Some Girls are Bigger than Others"という曲です。

当時のイギリスはサッチャー政権下での急進的な経済改革により、300万人にも及ぶ大量の失業者が発生した時代だった。1986年はその頂点とも言える年であり、その時代背景が"the dole-age"「失業手当の時代」という言葉にあらわれています。

繰り返されるサビはきわめてシンプルでありながら、なにを言いたいのかわかりません。「ある女の子は他の女の子よりも大きい」。いったい何が?

英ウィキペディアによれば"As Anthony...ale."のくだりは、1964年公開のコメディ"Carry on Cleo"からの引用らしいのですが、映画をみてみてもそんな場面はありません。ザ・スミスのバイオグラフィー"Songs That Saved Your Life"に記載されているらしいのですが、どなたか読まれたら教えてください。


モリッシーは何に気づいたのでしょうか?それは過去から現在にいたるまで、「ある関心事」=「女の子の中には大きい子と小さい子がいる」という事実です。ここまで書くとニヤリとする人がいるかもしれません。男性が男性同士で女性の事を話題にするとき、たいしたボキャブラリーは使われません。

4コマ目:
「男性は必ず見つめるものよ…
大きくても小さくても」
「顔」「胸」「尻」この3つが男性が女性を話題にするときに、あるいは異性として意識するときに注視する箇所です。女性ならばさしずめ「顔」「金」「性格」でしょうか。基本的には男性はその幼少期から老年にいたるまで、興味の対象はほぼ変化しません。おそらく大きさうんぬんなら、まちがいなく「おっぱい」です。

人間は酔っぱらうとつい正直に、何のてらいもなく話してしまいがちです。ロミオとジュリエットと並ぶ名カップルである、アントニオとクレオパトラでさえ、エール(ビールの一種)で酔っぱらうと、いくらロマンチストを気取ろうと、正直な言葉が出てしまうということでしょう。

女性をきわめて即物的に、おっぱいの大小だけでとらえる。その醒めた視線と、「アントニオとクレオパトラ」というロマンスの象徴の対比がこの曲を非常に印象深いものにしてくれます。

もっとも、女性のリスナーやロマンチストはこの解釈に反対するかもしれません。事実、Songmeaningsでは「なに」が大きいのかについて喧々囂々の論争となっています。しかし、「体型」や「情熱」「社会的地位」などでは、まったくユーモアが足りません。

実はライブでは、さらに歌詞が足されています。

On the shopfloor
There's a calendar
As obvious as snow...
As if we didn't know
作業場にかけてあるカレンダー
雪のように明らかで
まるでぼくらが気づいていないかのように

大小
男たちが働く作業場には、たいていビキニのおねーちゃんのカレンダーがかけてあるものです。カレンダーの写真はきわめて即物的に女性を写し取ります。カレンダーをみれば一目瞭然なわけです。ロマンティックなヴァースに対する「女はおっぱい」と言う身も蓋もないサビこそが、この曲の醍醐味なのです。余談ですが、スペイン語のmamáは乳房を意味します。

そしてこの曲は、突然過度にロマンティックな歌詞で終わりを迎えます。実はこの部分は60年代に活躍したアメリカの歌手"Johnny Tillotson"の"Send Me the Pillow You Dream on"の引用です。あれだけ醒めたサビを繰り返しながら、最後には甘ったるく曲をしめるモリッシー。一筋縄ではいかないところが魅力です。





2012年7月13日金曜日

[歌詞] Terrible Lie (Nine Inch Nails)


Hey God, why are you doing this to me?
Am I not living up to what I'm supposed to be?
Why am I seething with this animosity?
Hey God, I think you owe me a great big apology
なあ、神様。どうしてこんな事をするんだ?
俺は自分に見合った暮らしをしているのか?
どうして俺は憎悪で沸き返っているのか?
なあ、神様。お前は俺に謝らなくちゃいけない。
Terrible lie
Terrible lie
Terrible lie
Terrible lie
ひどい嘘だ。
ひどい嘘だ。
ひどい嘘だ。
ひどい嘘だ。
Hey God, I really don't know what you mean
seems like salvation comes only in our dreams
I feel my hatred grow all the more extreme
hey God, can this world really be as sad as it seems?
なあ、神様。お前が何を言いたいのかわからない。
救いは夢の中でしかやってこないみたいだ。
憎しみが限界を超えそうなのがわかる。
なあ、神様。この世界はこんなにも悲しくなれるのか?
Terrible lie
Terrible lie
Terrible lie
Terrible lie
ひどい嘘だ。
ひどい嘘だ。
ひどい嘘だ。
ひどい嘘だ。
Don't take it away from me, I need you to hold on to
Don't take it away from me, I need you to hold on to
Don't take it away from me, I need you to hold on to
Don't take it away from me, I need someone to hold on to
Don't tear it away from me, I need you to hold on to
Don't tear it away from me, I need someone to hold on to
Don't tear it away from me, I need you to hold on to
Don't tear it... don't tear it... don't take it, don't take it, don't...
俺からそれを奪わないでくれ。手を離さないでくれ。
俺からそれを奪わないでくれ。手を離さないでくれ。
俺からそれを奪わないでくれ。手を離さないでくれ。
俺からそれを奪わないでくれ。誰でもいいから手を貸してくれ。
俺からそれを取り去らないでくれ。手を離さないでくれ。
俺からそれを取り去らないでくれ。誰でもいいから手を貸してくれ。
俺からそれを取り去らないでくれ。手を離さないでくれ。
それを…それを…それを奪わないでくれ。
Hey God, there's nothing left for me to hide.
I lost my ignorance, security and pride.
I'm all alone in a world you must despise.
Hey God, I believed the promises, your promises and lies
なあ、神様。もう隠す事はなにもない。
もう知ってしまった今は、安全も自信もなくしてしまった。
あんたが見下すような世界で一人きりだ。
なあ、神様。俺は約束を、あんたの約束と嘘を信じていたんだ。
Terrible lie
Terrible lie
Terrible lie
Terrible lie
ひどい嘘だ。
ひどい嘘だ。
ひどい嘘だ。
ひどい嘘だ。
You made me throw it all away
My morals left to decay (terrible lie)
How many you betray
You've taken everything (terrible lie)
My head is filled with disease
My skin is begging you, please (terrible lie)
I'm on my hands and knees
I want so much to believe
お前はすべてを俺に投げ出すよう強いた。
残された俺の道徳心は薄れていく。
何度裏切る気だ。
もうすべて持っていったろう。
俺の頭は病んでいる。
俺の皮膚はお前に施しを請いている。
四つん這いになりながら。
信じられるものが欲しい。
Don't take it away from me
I need someone to hold on to
Don't take it away from me
I need someone to hold on to
それを奪わないでくれ。
俺には誰か手を握っていてくれる人が必要なんだ。
それを奪わないでくれ。
俺には誰か手を握っていてくれる人が必要なんだ。
i give you everything. 
my sweet everything 
hey God, i really don't know who i am. 
in this world of piss
俺はお前にすべてを渡そう。
大事な物すべてを。
なあ、神様。俺は自分が何なのかわからない。
このくそったれの世界で。

Nine Inch Nails (1988- )
Nine Inch Nails(ナイン・インチ・ネイルズ)初期の代表曲のTerrible Lie(ひどい嘘)です。NINの曲全体に言える事なんですが、固有名詞が一切でてこないので、何の事を歌ってるのかひどく曖昧と言えば曖昧です。もちろんこの歌の「俺」(=トレント・レズナー?)がひどく怒っている事はわかるのですが、そもそもなんで怒っているのかわからない訳です。

トレントの個人的な恨みつらみととるのが一般的なのかもしれませんが、個人的にはこの歌のベースになっているのは、旧約聖書のヨブ紀だと感じています。