2010年3月29日月曜日

[歌詞] Submarine Symphonika (The Submarines)



If you live in the city
And you want it to burn
Because you think nobody could learn
The delicate demons and
Loneliest ways of a heart
Thats been broken

もしあなたがこの街にいて
誰も華奢な悪魔と
壊れてしまった心の孤独すぎる面を
理解しないと感じて
この街を燃やしてしまいたいのなら

Say what you will,
Love finds you even when,
You've given it up

どうしたいのか言ってみて
愛はあなたがあきらめたときでさえ
あなたを見つけてくれるから

One after another
You've seen love affairs turn
From the glorious start
To the crash and burn
But Now that you've promised never again
It's exactly when you'll fall in

次から次へと
恋愛が輝かしいはじまりから
粉々になって燃え尽きるのを
あなたは見てきた
でもあなたが「もう二度と繰り返さない」と誓ったときから
あなたは恋に落ちているのだから

You've sworn off clubs and bars
Fridays with the girls
You say homes where you'll be
But soon your own sweet love
Who needs you'll be lying in your arms

あなたは金曜日に女の子たちと
クラブもバーも行かないと誓った
家にぜったいいるって
でもすぐにあなたの腕の中にいたいと思う
あなたのかわいい女の子があらわれる

Say what you will
Love finds you even when,
You've given it up

どうするのか言って
愛はあなたがあきらめたときでさえ
あなたを見つけてくれるから

Everybody deserves to be adored
Why would you settle for less
When the world gives you more?

だれもが敬愛される価値がある
なのにどうしてあなたはそれで満足しているの
世界があなたにまだまだ与えてくれるのに

The Hurt has you now
But soon it'll make you strong
And your loveliness goes on and on

今はつらいかもしれない
でもすぐにあなたはもっと強くなれる
あなたの魅力はまだ続いていくんだから

Say what you will
Love a heart thats been broken
Love finds you even when,
You've given up

どうしたいのか言って
壊れてしまった心を愛して
 愛はあなたがあきらめたときでさえ
あなたを見つけてくれるから

Say what you will
Say it again and again
Until the whole world knows about it
Love finds you even when,
You've given up

どうしたいのか言って
何度も何度も言ってみて
世界中がわかってくれるまで
愛はあなたがあきらめたときでさえ
あなたを見つけてくれるから

The Submarines (2006- )
iPhoneのCMに使われて、気になったので探してみたら見つかった曲です。この曲以前にもほかの曲が使われたことがあったみたいですね。もともとそれほどメジャーなグループではなかったらしく、あまり情報がないのですが、LA出身の男女二人(フィッツジェラルドの孫!)のユニットらしいです。キラキラポップ感がたまらないです。歌詞は読んだとおりなので解説しません。



[歌詞] Suffer Little Children (The Smiths)



Over the moor, take me to the moor
Dig a shallow grave
And I'll lay me down

沼地まで、沼地の奥につれていってほしい
浅い墓穴を掘ってくれ
僕はその中に身を横たえるから

Over the moor, take me to the moor
Dig a shallow grave
And I'll lay me down

 沼地まで、沼地の奥につれていってほしい
浅い墓穴を掘ってくれ
僕はその中に身を横たえるから

Lesley-Anne, with your pretty white beads
Oh John, you'll never be a man
And you'll never see your home again
Oh Manchester, so much to answer for

 レズリー・アン、君はかわいらしい白いビーズといっしょに
ジョン、君は大人にはなれないんだ
そしてきみたちはもう家を見ることはないんだ
マンチェスター、君には答えることがたくさんある

Edward, see those alluring lights ?
Tonight will be your very last night

エドワード、あのうっとりするような光がみえるかい?
今夜は君のほんとうに最期の夜になる

A woman said : "I know my son is dead
I'll never rest my hands on his sacred head"

 ある女性が言った「私の息子が死んでいることはわかっているわ
私が息子の祝福された頭の上に手を置けることはないんだわ」

Hindley wakes and Hindley says :
Hindley wakes, Hindley wakes, Hindley wakes, and says :
"Oh, wherever he has gone, I have gone"

ヒンドレーは目覚め、こう言う
ヒンドレーは目覚め、目覚め、目覚め、こう言う
「彼のいった所にはすべて私もついていきました」

But fresh lilaced moorland fields
Cannot hide the stolid stench of death
Fresh lilaced moorland fields
Cannot hide the stolid stench of death

しかし鮮やかなライラック色の沼地帯は
無神経な死臭を隠すことはできない
鮮やかなライラック色の沼地帯は
無神経な死臭を隠すことはできない

Hindley wakes and says :
Hindley wakes, Hindley wakes, Hindley wakes, and says :
"Oh, whatever he has done, I have done"

ヒンドレーは目覚めてこう言う
ヒンドレーは目覚める、目覚める、目覚めてこう言う
「彼がしたことはすべて私もしました」

But this is no easy ride
For a child cries :

しかしそれは楽なことではない
泣き喚く子供にとっては

"Oh, find me ... find me, nothing more
We are on a sullen misty moor
We may be dead and we may be gone
But we will be, we will be, we will be, right by your side
Until the day you die
This is no easy ride
We will haunt you when you laugh
Yes, you could say we're a team
You might sleep
You might sleep
You might sleep
BUT YOU WILL NEVER DREAM !
Oh, you might sleep
BUT YOU WILL NEVER DREAM !
You might sleep
BUT YOU WILL NEVER DREAM !"

「だれか僕を見つけて……見つけてくれるだけでいいから
僕らは重々しい霧に包まれた沼地にいるから
僕らはもう死んでるかもしれない、いないかもしれない
でも僕らは、僕らは、僕らは、あなたの隣にい続けるから
あなたが死ぬその日まで
それは簡単なことではないけれど
あなたが笑えば僕らは出没する
そう、僕らはチームなんだ
あなたは眠るだろう
あなたは眠るだろう
あなたは眠るだろう
でも夢は見ない
あなたは眠るだろう
でも夢は見ない
あなたは眠るだろう
でも夢はみない

Oh Manchester, so much to answer for
Oh Manchester, so much to answer for

マンチェスター、君には答えることがたくさんある
マンチェスター、君には答えることがたくさんある

Oh, find me, find me !
Find me !
I'll haunt you when you laugh
Oh, I'll haunt you when you laugh
You might sleep
BUT YOU WILL NEVER DREAM !
Oh ...
Over the moors, I'm on the moor
Oh, over the moor
Oh, the child is on the moor

見つけて、僕を見つけて!
見つけて!
あなたが笑えば僕は現れる
そう、あなたが笑えば僕は現れる
あなたは眠る
でも夢はみない
そう
沼地の奥、僕は沼地にいる
沼地の奥
その子供は沼地にいる

The Smiths (1982-1987)
1984年発売のザ・スミスのファーストアルバム『ザ・スミス』の最後を飾るこの曲は、1960年代初頭に起こった殺人事件を歌っている。ナチズムにかぶれたイアン・ブレディーとそれに感化されたガールフレンドのマイラ・ヒンドレーは、自分たちの優越性を示すために(そして歪んだ性的欲求を満たすために)10台の少年少女を暴行した挙句、マンチェスター郊外の沼地に埋めることを繰り返した。




左:マイラ・ヒンドレー
右:イアン・ブレディー
さて、歌詞を見ていこう。冒頭の「沼地まで~横たえるから」のくだりは、上記の説明から背景は難なく理解できるけれど、どの視点から語られているのかがわかりにくい。「犯人」ではないだろうし、死にたくないと後述している「犠牲者(子供たち)」でもない。ここでは作者の視点が、無抵抗になってしまっている子供たちに乗り移って、半ば客観的に子供たちの視点を再構成しているとみるのがいいだろう。"over"の訳はいささか考えさせられたが、子供たちが埋められた沼地が人目につかないところであれば、いくつもの沼地を越えていった奥にある沼地であろうから、「奥に」と意訳した。

次に登場するレズリー・アンとジョンはともに被害者の実名だ。レズリー・アンは白いビーズ(ネックレス?)とともに埋葬され、ジョンはもう大人には決してなれない。そして二人とも生きて家に帰ることはない。そんな絶望的な状況を描いた後に、擬人化されたマンチェスターには「答えなければいけないことがたくさんある」と問いかけられる。これがCDに付録している小林政美の訳では「償うべきことがおおすぎる」となっているけれど、そうなるとマンチェスターを擬人化しているわけだから、マンチェスターが償う(何を?)ことになってしまうのでいただけない。ここは、擬人化された大地、あるいは空間としてのマンチェスターが、誘拐から殺人までの現場をみていたこと、そしてその肉体である大地に死体を埋められていることから、誰がいつどのようになぜ殺したのかを教えてくれという嘆願がこめられているのだ。

また、マイラ・ヒンドレーが登場する2つのヴァースは、小林訳では「あの子供はどこかへ行ってしまった。私はあの子と一緒だよ」と「あの子が何をしようと私も一緒にやったよ」とあるけれど、これもまた酷い。フレディとマイラの関係は支配的なフレディにマイラが完全に従属するものだったようで、逮捕後のマイラはこう語っている。
「あのひとが地球は平らだ、太陽は西からのぼる、月は生チーズでできている、と言っていたとしても、私はそれを信じたでしょう」
つまり、この2つのヴァースはフレディが命じたことはすべて行ったマイラの従属関係を意味しているのであって、被害者の子供はまったく関係ないのだ。またマイラがフレディを「あの子」といったニュアンスで呼ぶことはどう考えてもありえない。

とても暗い歌詞であまり幸せな気分にはなれない曲でした。でも名曲。


2010年3月16日火曜日

[歌詞] Perfect Day (Lou Reed)


Just a perfect day
Drink Sangria in the park
And then later, when it gets dark
We go home

まったく完璧なある日
公園でサングリアを飲んで
そのあと、暗くなったら
ぼくらは家路につく

Just a perfect day
Feed animals in the zoo
Then later, a movie, too
And then home

まったく完璧なある日
動物園でエサをあげて
それから、映画もみて
家に帰る

Oh it's such a perfect day
I'm glad I spent it with you
Oh such a perfect day
You just keep me hanging on
You just keep me hanging on

そんな完璧な日
君と過ごせてうれしいよ
そんな完璧な日
君のおかげでやっていける
君のおかげでやっていける

Just a perfect day
Problems all left alone
Weekenders on our own
It's such fun

まったく完璧な日
いやな事は忘れて
二人だけの週末旅行
なんて素晴らしいんだろう

Just a perfect day
You made me forget myself
I thought I was someone else
Someone good
 
まったく完璧な日
君は僕自身を忘れさせてくれた
僕がだれか別の人間、
もっとましな人間だったらいいのに
 
Oh it's such a perfect day
I'm glad I spent it with you
Oh such a perfect day
You just keep me hanging on
You just keep me hanging on

そんな完璧な日
君と過ごせてうれしいよ
そんな完璧な日
君のおかげでやっていける
君のおかげでやっていける

You're going to reap just what you sow
You're going to reap just what you sow
You're going to reap just what you sow
   You're going to reap just what you sow...
君は報いをうけるよ
君は報いをうけるよ
君は報いをうけるよ…

Lou Reed (1942- )
映画『トレインスポッティング』で使用されていることで有名な"Perfect Day"ですが、こうやって訳してみると、曲調とは裏腹に悲惨な終わり方をしてますね……もっとも、曲調自体もどこか郷愁をさそうような物悲しいものなのですが。前置きはこれぐらいにして、歌詞を見ていきましょう。

まず1,2ヴァースは穏やかな日曜の午後を描写したような表現が続いていきます。公園でサングリア(赤ワインを薄めて甘くしたもの)飲んで、動物園にいって、映画を見て、暗くなったら家に帰って……極めて健全なカップルあるいは家族の姿です。ここでの人称は"we"だけなので、詳しい関係は不明です。そしてサビの第3ヴァースでは「君」がいるおかげで生きていけるんだ、と繰り返し強調されています。

さて、具体的な表現が使われた1,2ヴァースとは異なり、4,5ヴァースは抽象的な表現が用いられています。そして、内容も幸せな姿から徐々に翳りが見えるようになっていくのです。特に、「ぼくがだれか別の人間、もっとましな人間だったらいいのに」という自己嫌悪が生まれてきます。そして再びサビの第6ヴァースで「君」の重要性が強調されます。

しかし最後のヴァースでは「君は報いをうける」と暗い予言がなされます。

普通に考えれば、主人公は過去の恋人を思い出してノスタルジックな感覚に浸っている。そして自分を捨てた恋人に対して、恨みがましいことを言っている、という解釈が成り立ちます。それで恐らく正解なのですが、ビートルズ以後の洋楽の伝統として、歌詞は常にドラッグとの結びつきが暗示されていることを考えると、これもドラッグ中毒の歌として捉えることもできるようになっています。songmeaningsでもこれがヘロインについてなのかどうかが議論の的となっていますが、ルー・リード自身の私生活を考えれば何らかの薬物中毒に関する歌でもあるんだろうなぁという印象ですね。それにトレイン・スポッティングがヘロイン中毒患者の話だったことも、曲の印象にあたえた影響があるとおもいます。